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#002 温度と味の関係

解説しますよ


コーヒーの温度は、抽出時も飲用時も、味に大きな影響を与える重要な要素です。以下に「抽出温度」と「飲む温度」の2つの観点から、温度と味の関係を解説します。


☕ 抽出温度と味の関係

🔧 基本の抽出温度:85〜96℃

一般的にはこの範囲が「美味しく抽出できる温度帯」とされています。

抽出温度 味への影響 向いている焙煎度
高め(92〜96℃) 苦味・コクが出やすい/酸味は抑えめ 中深煎り〜深煎り
低め(85〜91℃) 酸味・香りが引き立つ/雑味は出にくい 浅煎り〜中煎り

☝ ポイント

  • 高温すぎると:過抽出になりやすく、渋みや苦味が強くなる

  • 低温すぎると:成分が十分に出ず、薄くて物足りない味になりやすい

  • 豆の焙煎度・鮮度・粒度によって「ベスト温度」は変わる


🥄 飲用温度と味の変化

コーヒーは冷めるにつれて味の感じ方が変わります

温度帯 味の印象
熱い(70℃以上) 味がぼやけがち/苦味や渋みが感じにくい
適温(60〜65℃) 香りと味のバランスがよく感じられる
ぬるめ(45〜55℃) 酸味・甘みが際立ってくる/香りが強調される
冷めた状態(30℃前後) 酸味・雑味が強調されやすい/豆の質が露呈しやすい

☝ ポイント

  • 良質な豆・丁寧な抽出ほど、冷めても美味しく感じられる

  • テイスティングは少し冷ましてから行うのが一般的(味の輪郭が見えやすい)


✅ まとめ

  • 抽出温度が高い → 苦味・コクが出やすい

  • 抽出温度が低い → 酸味・香りが引き立つ

  • 飲む温度が下がると → 味の細部がより感じやすくなる


 

温度を「味のチューニングツール」として使いこなすと、同じ豆でも表情豊かな一杯になりますよ。